あすなこ白書

日本のドラマっておもしろい!

若き二人の女優が手にした次の一手 映画『累』感想

「アイドル戦国時代」とよく聞くけど、役者の世界の方がよっぽど戦国時代だと思う。ついこの間画面の片隅で「おっ、この子見たことないけど存在感あるな」と思ってあたかも自分が発見したような気分になっていると、大体次々クールの作品で主要キャストの一人になっていたりする。全く終わる気配がしない役者戦国時代の中で、最も競争率が激しいのが「清楚系女優」枠だと思う。

その一因はなんといっても、NHKの朝ドラにある。女優ならば一度は目指すであろう朝ドラヒロイン。私も次生まれ変わるならば、seventeenモデルを経た後に朝ドラに抜擢される永野芽郁ちゃんコースを歩みたいと常々思っていた。しかし、ふと思った。「朝ドラヒロインってむちゃくちゃ大変なのでは…?」

 

民放ドラマより回数が多いとかNHKの看板を背負うのが大変だとか、そんなこたぁ目指した時点で私も覚悟はしている(なった気でいる)朝ドラヒロインに選ばれると同時に脚光を浴び、何ならキャスティングが発表された時点で「国民的清楚系女優」の箔を押されるのだからやむを得まい。放送中はお茶の間から愛され、朝ドラバブルで仕事も増える。「朝ドラ後、初の民放出演作!」とか何とかで民放に行っても特別扱いされることだろう。
しかしいつまでも「朝ドラ出身清楚系女優」を名乗ってもいられない。NHKが次から次へと清楚系女優を発掘していくからだ。私主演の朝ドラより次作の方が話題になることも十分にあり得るし、ヒロインだけでなく脇役にダイヤの原石がいる可能性もある。しかし私の気なんてお構いなしに、NHKは次から次へと若くてフレッシュな女を見つけてくる。半年ごとに若くて可愛い女を確実に連れてくるのだから、そこらへんのチャラ男よりもタチが悪い。自分主演の朝ドラが鳴かず飛ばずのものにでもなれば、心のキャパが1ミクロン程度しかない私は間違いなくNHKを恨む。選んでくれた恩なんて忘れて間違いなく恨む。くそNHK、くそ脚本家!(あくまでも心のキャパが狭すぎる私の場合である)。

 

朝ドラヒロインになってしまったら「朝ドラ出身清楚系女優」の肩書に甘んじることなく、早々に自身の「第二の武器」を見つけなければならない。民放ドラマや映画でブレイクした女優たちとは一味違うプレッシャー。朝ドラヒロインって大変なんだろうなぁ、と思い私は妄想をやめた。何の話がしたいかって、映画を見た話がしたかったんだ。

 

 

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原作を数巻読んだ事がある俄かな私でさえも、キャスティング発表時には愕然とした。「NHK朝ドラ主演を務めた二人が」という煽り文句も一ミリも惹かれないしというか全国民が朝ドラ見てると思わないで欲しいし、漫画の実写化なら山崎賢人か土屋太鳳持って来ればいいだろという安易なキャスティングもやめて欲しい。そんじょそこらのとりあえず実写化したろか的な安っぽい漫画と「累」を一緒にしないでよ!!と、俄かは俄かなりに思っていた。

 

気が変わったのは夏ドラマ「チア☆ダン」を見ていた時だ。また土屋太鳳が主演なのかと思って見始めたが、回を重ねるごとに土屋太鳳という女優の良さが分かってきた。オーラと存在感と、何と言っても華がある。何で主役ばかり…と思っていたけれど、逆に土屋太鳳を端役にすると彼女はきっと主役を食ってしまうのだ。考えてみれば土屋太鳳の作品を真剣に見たのはチア☆ダンが初めてだったかもしれない。もしかしたら「累」の土屋太鳳キャスティング、中々いけるのでは…?そう言えば、W主演をする芳根ちゃんの闇落ち演技も良かった(高嶺の花)。「累」の累・ニナに似てるかはさておき、土屋太鳳の対になる存在が芳根京子というのにはとても合点がいく。え、「累」実写化中々いけるのでは…!!!?

 

 

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幼い頃より自分の醜い容姿に劣等感を抱いてきた女・累(芳根京子)。今は亡き伝説の女優・淵透世を母に持ち、母親譲りの天才的な演技力を持ちながらも、母とは似ても似つかない容姿に周囲からも孤立して生きてきた。そんな彼女に母が唯一遺した1本の口紅。それは、キスした相手の<顔>を奪い取ることが出来る不思議な力を秘めていたー。

(公式HPより抜粋)

 

 

結論:めちゃくちゃにいけた

中々どころかめちゃくちゃにいけた。

 

母・淵透世の昔の知り合いだと名乗る羽生田(浅野忠信)から舞台に誘われた累は、そこで女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)に出会う。美しい顔を持つニナだが芝居はまるでダメ、というこの「顔だけは良いから良い役をもらったが演技はまるでダメな女優」の芝居をする土屋太鳳がまず上手い。きっと土屋太鳳自身も同世代のニナのような女優を沢山見てきたのではないかと思う。その後スランプのニナに代わってと累が紹介されるのだが、自分とは似ても似つかない醜い容姿の累にニナは発狂する。「こいつが私の代わり!??」と叫びだし累を激しく罵りだす土屋太鳳がこれまた最高なんだ。

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長いこと胸の内にあった「なぜ土屋太鳳はカマトトぶっている(死語)ように見えるのか問題」に漸く決着がつき、我ながら天晴れだった。もしかして、土屋太鳳の本領はココではないか。台詞も表情も声色さえも、丹沢ニナを構成する全てが「こんな土屋太鳳待っていた!」で溢れていた(ここまで開始10分くらい)

 

ニナは舞台に立てない自分の為、累は憧れていた舞台に立つ為、互いの目的の為に二人は度々キスをして顔を交換する。「醜く暗い芳根京子」「美人で強気な土屋太鳳」だったのが、度々自信家で口が悪い芳根京子や消極的な土屋太鳳になったりする。ざっくり分ければ二人の顔の系統が同じなことも、今作では大きなプラスになっていた。顔だけではなく二人の芝居も呼応しあい、良い意味でどちらがどちらか分からなくなる。二人の女優が重なり合い融合していく様が、まさに「累」という作品そのものだ。

 

その後、(気持ちは)累(だけど姿は土屋太鳳)は演技をする楽しさや舞台に立つ喜びを覚え、「期待の若手美人女優・丹沢ニナ」として世間に名を響き渡らせる。ニナが売れるきっかけとなった「かもめ」を始め、作中の演劇には実際にある作品が使われているのだが何と言ってもサロメ!!今作を見た方は必ずサロメサロメと呟いていて他人から見るとサロメって何ぞや案件だと思う。人気女優となったニナが主演する作品で、今作最大の見せ場こそ「サロメ」だ。

 

ユダヤの王エロドは、自分の兄である前王を殺し妃を奪い今の座に就いた。妃の娘である王女サロメに魅せられて、いやらしい目を彼女に向ける。その視線に堪えられなくなったサロメは、宴の席をはずれて、預言者カナーン(洗礼者ヨハネ)が閉じ込められている井戸に向かう。預言者は不吉な言葉を喚き散らして、妃から嫌がられている。預言者との接触は王により禁じられているのだが、サロメは色仕掛けで見張り番であるシリアの青年に禁を破らせて、預言者を見てしまう。そして彼に恋をするのだが、預言者のほうは彼女の忌まわしい生い立ちをなじるばかりである。愛を拒まれたサロメはヨカナーンに口づけすると誓う。(Wikipediaより引用)

 


「累 -かさね-」【土屋太鳳/劇中ダンス映像「七つのヴェールの踊り」】

(リンク貼りましたが、見に行く方は絶対見ない方がいい)

 

もう本当にこれ最高なんすよ…!

ダンスで培った身体能力と体感を主軸に、23歳とは思えない艶やかさと存在感にただただ圧倒される。天才若手女優となったニナが有名演出家・富士原(村井國夫)の指導により、自分の演技を確固たるものにしていくように、ニナ演じる土屋太鳳自身もサロメの稽古から舞台本番の内に進化していくのだから凄い。

 

 

画面越しではなく天才女優・丹沢ニナの空気を確かに感じたし、何なら私は国立劇場にいるんじゃないかとさえ思った(その10分後にはtohoシネマズ渋谷になっていた)。私は今作を見た昨日からずっと「見てほしい」と呟いているが違う。

味わってほしいんです。「累」という作品が一つの完成形を迎える瞬間を、作品が持つ魅力に応えねばと言わんばかりに切磋琢磨しあった二人が作り上げたあの世界を、是非大きなスクリーンで味わってほしい。 

 

圧巻の112分、物語はAimerが歌う「Black Bird」で幕を引く。この歌を以って、漸く映画『累』は完成する。


Aimer 『Black Bird』MUSIC VIDEO 映画『累-かさね-』(9月7日(金)公開・主演:土屋太鳳×芳根京子)ver.

 

今年の日本アカデミー主演女優賞は「万引き家族」の安藤サクラだろうが個人的には土屋太鳳にあげたい。見返すと太鳳太鳳ばかりいっているが、演技力化け物の土屋太鳳に追いつこうと作中で進化し続けた芳根ちゃんも素晴らしかった。荒削りさは感じるけれど、間違いなく芳根ちゃんの転機となる作品だと思う。

 

twitterを見ていると美人の芳根ちゃんが醜いっていう設定は云々…的な呟きを見るけど、観る前の人がしているネガティヴな呟きを見かける度に私の中の悟空も呟く。

 

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「おめぇ、ま〜だそんなこと言ってんのか」

 

 

土屋太鳳23歳、芳根京子21歳。

一つの当り役に巡り会うのも難しいと思う役者戦国時代で、二人は早々に「第二の武器」を見つけてしまった。2019年は彼女たちを「朝ドラだけ」や「恋愛漫画実写化女優」と揶揄する人も減るだろう。その2019年が来る前に、まずは二人の若手女優の才能を存分に引き出し開花させた映画『累』を一人でも多くの人に味わってほしいと、切に願う。

昔も今も、これからの私も好きになる 映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』感想

私はギリギリ平成生まれだ。自分が高校生の頃「ギャル文化」は若干廃れていたし、ルーズソックスも既に過去の遺物だった。田舎の女子高だったので、奇抜な格好をする同級生は特にいなかったけど「派手な子」はいた。近くに好きな男の子がいるわけでもないし、高確率で見張りの先生がいるから学校帰りに遊びに行くこともない。何よりも先生に怒られてまでオシャレなんてするもんじゃないよなぁ、と派手な子たちが注意される度にそう思っていた。

 

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私の高校時代より5~10歳上の方々にドンピシャであろうこの作品。物語は安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES 」から始まる。

 

***

何不自由ない暮らしをしている専業主婦の奈美(篠原涼子)は、いつも通り家族と朝食をとっていた。テレビでは安室奈美恵のニュースが流れていた。奈美は勿論、あの頃の女子高生はみんな安室ちゃんに憧れていた時代。奈美は過去の映像を見ながら、ふと自分の高校時代を懐かしんでいた。
ある日、怪我をした母のお見舞いに行くと別の病室から奇声が聞こえる。部屋を覗いてみると、医師や看護師に押さえつけられている女性の姿。病室の名札には見覚えがあった。奈美の高校時代の同級生・芹香(板谷由夏)が入院していたのだ。
芹香はグループのリーダー的存在で、現在は複数の会社を経営する女社長になっていた。しかし彼女は末期の癌で、余命もわずかだと言う。

 

「最後にSUNNYの皆に会いたい」

 

芹香の最後の願いを叶えるべく、奈美は高校時代の仲間・SUNNYのメンバーを集めることに奔走する。

***

 

韓国のリメイク作品だが、今作では90年代の日本が大きなテーマになっている。私のようにドンピシャではない世代の人も大丈夫。「90年代とかあんまり知らないんですけど…」というヤングたちも、久保田利伸LA・LA・LA LOVE SONGに乗って90年代の世界へと一気に連れていかれるから無問題。

しかし今をときめきまくっている広瀬すずを始め、メインキャストのJK時代を演じる女優は皆二十歳そこそこ。何なら渡辺直美のJK時代を演じた富田望生は18歳なので生まれてすらいない。でもスクリーンの中には、確かに「90年代版」の広瀬すず山本舞香が存在していた。ルーズソックスに憧れるもすぐに買えないからと自分のソックスを伸ばしてはく広瀬すず、細眉に少し焼けた肌の山本舞香。彼女たちだけではなく、街の雰囲気も流れる音楽もロン毛姿が妙にやらしい三浦春馬も、出てくる人・モノ全てがMADE IN 90年代なのだ。

 

90年代のギャル達は無敵だった。援助交際を持ち掛けるリーマンを返り討ちにしたり、時にはテレクラで小遣い稼ぎをしたりとギリギリな事をする割に、自分達が「ダサい」と思うことには一切手を出さねぇ!という強いポリシーがあった。「良い・悪い」ではなく「カッケェ・ダセェ」で物事の善悪を決める姿は非常にクールだと思う。

山本舞香演じるJK時代の芹香がまさに生粋のギャルで、これまたはちゃめちゃにカッケェのだカースト表のあの三角のほぼ頂点にいる存在なのにも関わらず、気さくで仲間思い。田舎から転校してきた奈美(広瀬すず)を自分のグループに誘ったのも芹香である。チアダンで山本舞香のことを気になった方は、ほぼ100%の確率でSUNNYの山本舞香を好きになる、と言うか好きにならざるを得ない。

その芹香の対極にいるのが、池田エライザ演じる奈々。ギャルのバイブル雑誌「egg」のモデルで(eggという名前が懐かしすぎて涙出る)どこかミステリアスな存在だ。奈々は90年代のギャル、というよりギャルの格好をした池田エライザなのだけど画面に映るエライザがいちいち美しかった。いつ何時の表情を抜かれても、美・美・美!!同級生にいたら絶対お近づきになりたいし、来世人間に生まれてくるなら池田エライザの顔面になりますように、と食い入るようにスクリーンを見た。ちなみに、SUNNYのメンバー探しで最後まで難航するのが奈々。なぜ奈々と連絡が取れなくなってしまったのか、そちらも物語の鍵となる重要なエピソードだ。ついでに言うと、SUNNYのメンバーで一番最初に連絡が取れるのはお察しの通り梅(渡辺直美)である。秒で連絡が取れる。

この二人を始め、JK時代のキャスト達に大人版キャストの面影を何処となく感じるのも面白い。豪華なだけでなく、この個性的なキャストを率いるのが篠原涼子広瀬すずなのも今作のセンスを感じる。ちなみに大人版でいうと、演技では小池栄子に注目しがちだが油断しているとともさかりえに度肝を抜かれる。全力で観客の度肝を抜いてくる。あと鰤谷…大人版関係ないけど鰤谷…!お前は絶対幸せになれ…!

 

大人版・奈美(篠原涼子)はSUNNYのメンバーを集めるにつれ、皆が昔のように必ずしも楽しいだけの人生を送っていないことを知る。そして時間の経過とともに進む、芹香の病い。果たしてSUNNYのメンバー全員で再び集合できるのか。

懐かしさと少しの切なさを感じる90年代の香りと共に、出演しているキャストを更に好きになる作品だった。知っている人はより好きに、知らなかった人も好きになる。予告やキャッチでは「青春と再会する」だの「愛に満ちた青春ムービー」だの、青春が前面にプッシュされがちだが、今作は青春時代の尊さだけでなく年齢を重ねる楽しさも教えてくれる。それはJK時代に負けず劣らず、大人時代のSUNNYのメンバーも最高にパワフルで最高に格好良く描かれているからだと思う。今青春真っただ中の学生は勿論、青春時代を通り過ぎた我々大人にもエールを送ってくれる華やかな作品だ。

  

最初に言った通り、私のJK時代はSUNNYのメンバーのように決してド派手ではなかった。けれど私は私で満足している。

しかしエンドロールが流れる中、小沢健二の「強い気持ち・強い愛」を聞きながら猛烈に思ったことがある。

 


「SUNNY 強い気持ち・強い愛」全曲メドレーPV

 

私、生まれ変わったらギャルになりたい…っ

 

2018年夏ドラマ初回感想②

 

 

asunako-hakusho.hatenablog.com

 

いつもよりゆるめな初回感想第二弾!

 

※あくまで一話を見た段階のざっくり感想

※個人的に刑事・医療ドラマは不得意(ここ大事)

※テレ東、テレ朝系のシリーズ枠はみない(ここも大事)

 

 

 

①『この世界の片隅に』(TBS/日9)

【人気漫画原作、アニメ化やドラマ化もされた本作をTBSがリメイク。太平洋戦争の中、すず(松本穂香)が家族と懸命に生き抜いた様を描く】

 

・日曜劇場疲れの人には癒し

・朝ドラ見たことない奴さえ感じる「朝ドラ」感

どえろい松坂桃李

 

漫画未読、映画ドラマすべて未視聴勢としては楽しめた初回。戦時中といえど「時代物」という括りの中、分かりにくいところが無かったり視聴者を置き去りにしなかったというだけで、初回としては非常にいいと思う。前作のブラックペアン、そして次クールに下町ロケットと「THE日曜劇場」という布陣が続く中、私のように日曜劇場疲れしていた人にはホッと一息つけるような作品に感じた。

ドラマ好きを自称しつつ朝ドラを見たことがない私でも感じる「THE朝ドラ感」。やけ食いする伊藤沙莉の画だけでこちらもご飯三杯いけそう。いきなり結婚しなきゃいけない相手が松坂桃李というのは空前絶後スペシャルラッキーだけど、その小姑が尾野真千子というのは結果プラマイゼロですよね。二話予告で「怪子、襲来」ってテロップ出てたけど「襲来」って人に使う言葉じゃないっしょ。

松坂桃李と一瞬だけど何とも言えない雰囲気が出ていた二階堂ふみのどえろコンビに期待しています。あとドロンズ石本がいい味出してる!

 

 

 

 

②『ゼロ 一獲千金ゲーム』(日テレ/日10時半)

【日本一の資産家・在全が建築中の「ドリームキングダム」に若者たちを集め、賞金1000億円を賭けて様々なゲームを仕掛ける。そこには塾講師として働きつつも裏では弱いものを救う「義賊」として活動する零(加藤シゲアキ)の姿もあった】

 

ライアーゲームを何度も煎じまくった感じ

御前って誰だよ只の梅沢富美男じゃねえか(二回目)

 

毎回いろんなゲームをしては、金か命が大事かという振るいにかけられ、クソみたいなやつら同志で友情が芽生えるという展開だと思うのだけどこれは回数持つのだろうか。この手の作品は沢山してるし、日テレではバラエティもしていたから既視感が凄い。

小池栄子筆頭に頑張っているのは伝わるけど、御前という名のただの梅沢富美男で台無しだわ!演技力がないというかそういう問題じゃねえんだ、ただの梅沢富美男なんだよ!!

 

 

 

③『ラストチャンス 再生請負人』(テレ東/月10)

【第一線で働いていた銀行マンの樫村(仲村トオル)は、吸収合併を機に転職を決意。飲食企業のCFO(最高財務責任者)として会社の再建に挑む】

 

・一話の段階で二回も合併にあう不運の男・仲村トオル

水野美紀が幸運の女神…だと!!?

 

あらすじやキャストの布陣を見ると日曜劇場みを感じるが、そこまでの固さは無く見やすい作品。どちらかというとテレ朝の「就活家族」を思い出す。

まず第一話にして長年勤めていた銀行が吸収合併され、まあそこは分かるけど次も吸収合併で折角の就職がぱーになるなんて…!もう一層のこと、仲村トオルが転職した先々で吸収合併が起こってほしいと願ってしまうほどの合併ぷりでした。しかしやっと就いたCFOもいきなり株を1000万買えと言われたり、会社が明らかに何かを隠していたりと嫌な予感しかしない!!

ちなみに仲村トオルは道で水野美紀と出会った日に職が決まる。トオル水野美紀のことを「金の女神だ~!」と家族にも話すのだけど…果たして本当に女神なのか!?破壊神じゃないのか!!?

今作には大谷亮平さんも出演しているので、最終回で大谷さんが星にならないことを願うばかりです(画像参照)

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④『健康的で文化的な最低限度の生活』(フジ/火9)

【安定を求め公務員になったえみる(吉岡里帆)が配属された先は、生活保護者を支援するケースワーカーだった!】

 

・王道お仕事ドラマ、今期一の見やすさ!

・「井浦新」「田中圭」を今引いた、今期一の運の良さ!

 

コア向けな作品というか中々曲がった作品が多い2018年夏クールの中で、キャスト・内容ともに今期1の見やすい作品だと思う。視聴率があまり良くなかったことが意外。

原作は一巻をさらっと見ていたので一話の展開にあまり驚きはなかったけど、中々にヘビーな題材なのでそれをオブラートに包むことなく、原作の良さ全開の実写作品にしてほしい。それにしても遠藤憲一が受給者って、かなり生命力ありそう。

 

 

 

⑤『ハゲタカ』(テレ朝/木9)

不良債権を抱えた銀行や名門企業に買収劇を仕掛ける「ハゲタカ」と揶揄される男・鷲津(綾野剛)の華麗なる逆転ストーリー】

 

・ここでいう「億」の単位はこちらでいう「ペリカ」くらいの単位ですか?

綾野剛のめくらせ芸に期待

池内博之がこれでもかってくらい胡散臭い

 

注意書きに刑事モノと医療モノが苦手と書いたが、私ビジネスドラマも苦手だったことを忘れていた…!!ひたすら綾野剛のイキり具合と池内博之の胡散臭さを楽しむことに務めた一時間強。

ペリカは言い過ぎかもしれないけど、億億出すぎて億の感覚マヒしてくる。私も六角さんのように二週間で5億返済っておいおい超イージーじゃない?綾野剛超優しいじゃんって錯覚したけど普通に考えて無理ゲーだわ。返せねえわ。

いつかハゲ頭の俳優さんに鷲津のことを「このハゲタカが!」と罵ってほしい。そこで「ハゲはてめぇの方だろ!」とイキリ返す綾野剛が見たいですね。その回を夢見て、頑張って見続けようと思います。

 

 

 

⑥『探偵が早すぎる』(日テレ/木深夜)

【母親を亡くし、家政婦と暮らしていた大学生の一華(広瀬アリス)。亡くなった父の5兆円もの遺産を受け継ぐことになり、親戚一同から命を狙われる。家政婦が一華を守るために依頼をしたのは「事件を未然に防ぐこと」をモットーにしている何とも胡散臭い探偵(滝藤賢一)だった】

 

滝藤賢一そのものが「ミハンシステム」

・深夜あるあるの無難に面白い作品

・メイン三人が適材適所

 

深夜あるあるな緩さ。個人的にはこの枠に適していると思う。

事件を未然に防ぐという意味ではこちらも「絶対零度」だけど、一時間でうまーくオチをつけれているのは月9より今作な気がする。滝藤さんをはじめメイン3人みんなあっているけれど、中でも水野美紀のドンピシャ感!ぶっちゃけ滝藤さんよりも水野さんの方がアリスのこと守れそう。

 

 

 

⑦『透明なゆりかご』(NHK/ 金10)

【町の小さな産婦人科医院でアルバイトをすることになったアオイ(清原果耶)。不器用でコミュニケーション下手なアオイが、命は何かを問う物語】

 

・清原果耶ちゃんの透明感溢れる演技がひたすら尊い

・実写化作品としても秀逸、清原果耶ちゃんのPVとしても秀逸

 

OPのChara、清原果耶ちゃんの瑞瑞しさ、作品に漂う暖かな雰囲気に思わず泣きそう。とにかく主役の清原果耶ちゃんが魅力的!カンカン照りの青空の下、ポニーテールの清原果耶ちゃんが「遅刻~!」と言いながら自転車を漕ぐというシーンだけで涙出そう。尊すぎて涙出そう。そのシーンだけでカルピスかアクエリアスのCM出来そう。

フレッシュな主役を支えるキャストも、これでもかという素晴らしさ。裏のチアダンも夏らしい爽やかな作品ですが、「透明なゆりかご」今期のおすすめの一つになりそうです!

 

 

というわけで駆け足で書きました第二弾。駆け足過ぎてすみません。

残すはテレ朝カオス枠のみとなりましたが、改めてドラマ多くない?(息切れ)

2018年夏ドラマ初回感想①

冷房をガンガンにかけた部屋で録画したドラマを延々と見る、そんな夏が今年も来てしまった。海や山などに全くいかず、只々家にいるだけの夏が。

 

前クール(2018春ドラマ)で3,4話視聴後に、一言レビューという名の全く一言では収まらなかった記事をあげましたが、ドラマって最初から見たほうが面白いじゃないですか。一話から見てるからこそ感じる味わいもあるじゃないですか。

というわけで駆け足であげてみました。今ならまだTVerで間に合うので、参考にはならないだろうけど判断材料の一つにしてくださったら幸いです!

 

※あくまで一話を見た段階のざっくり感想

※個人的に刑事・医療ドラマは不得意(ここ大事)

※テレ東、テレ朝系のシリーズ枠はみない(ここも大事)

 

 

絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジ/月9)

【特殊捜査班にいた山内(横山裕)が失踪した相棒・桜木(上戸彩)の行方を追っていたところ、「資料課分室」に左遷されてしまう。表向きは掃き溜め部署だが、裏では「ミハンシステム」というAIを駆使し、これから起こる犯罪を未然に防ぐ部署だった。】

 

・「絶対零度」シリーズ初見勢には冷たい初回

沢村一樹から感じる安定感と「これ絶対テレビ朝日じゃん!」感

・初回90分拡大がひたすら長い

 

絶対零度シリーズ3作目にして初の月9。今シリーズは2010年、2011年に放送されているものの、私は今回が初めて。「上戸彩が主演していた刑事モノ」という前情報しかない状態で見ると理解するのが難しかった。同時に「絶対零度って誰もが知ってる人気シリーズだったのか」と思わされた。上戸彩とヨコが仲良かった事くらいしか分からない。

個人的に「月9」はド派手な作品であってほしいという思いが強いため、終始漂っていた陰気なムードにこちらも鬱々。潜入捜査や本田翼のコスプレ捜査などあの手この手を使って調べるものの、どうしても前作のコンフィデンスマンJPが頭を過ってしまいワクワク感があまり感じられなかった。まあ散々言ったけど、兎に角なげえ!!通常枠になってどう話を収めていくかが肝だと思う。

頼むから前シリーズのおさらい…的な映像、三話くらいまで冒頭に流してくれません?

 

『義母と娘のブルース』(TBS/火10)

【仕事一筋の亜希子(綾瀬はるか)が結婚したのは、小学生の娘を持つ良一(竹野内豊)だった。不器用な亜希子はあの手この手を使って、娘・みゆきの心を掴もうとする】

 

・なかなか緩い出だし

・フワフワしてる竹野内豊は可愛い

 

まさかの四コマ漫画が原作。それを知るまでは非常にプツプツした感じが気になっていたけれど、逆に四コマ漫画を1時間ドラマの題材として扱って成立させているのが凄いと思った。しかし想像以上にふわふわしている作品で、一話で離脱しそうな人は多いんじゃないかと。

娘が小学生から成長してからが話の本筋らしいし、民放ドラマ久々の佐藤健に期待したい。低い天井が好きそうな竹野内豊、可愛いです。

 

『高嶺の花』(日テレ/水10)

【婚約破談になった華道の名門の娘・月島もも(石原さとみ)が恋をしたのは、「ぷーさん」があだ名の超平凡な自転車屋の店主・直人(峯田和伸)だった!】

 

・非日常の中に垣間見える日常が尊い、This is 野島ワールド

野島伸司が出会った「峯田和伸」という救世主

・センター分け+ピアス+華道家千葉雄大=最高

 

最初に一言。私は野島伸司が大好きだ!!!(つまりひいき目!)

しかし野島脚本を純粋に楽しいと思える世の中っていうのは、この平成が終わる時代にはもういないのかもしれないなぁと勝手に思っていた。それを野島もどこかでわかっているのか、冒頭20分くらいは全く野島カラーを感じず。そもそも主演がさとみだし、これじゃ只のカオスなドラマじゃないかと。小日向さん言ってることよくわからないし。

しかし後半からのTHE野島ワールド!!!この平成が終わろうとしている2018年にも、俺たちの野島はコンプライアンスや世評なんて関係なく己の世界観を地上波で描こうとしているんだ!!と、野島好きとしては少し興奮した。峯田和伸のラブミーテンダーからの朝ごはんのシーンは最高に野島脚本ぽかった。主演は月島ももだけど描きたいのは直人で、峯田和伸という人は今の野島伸司が欲しくてたまらなかった逸材なんじゃないかと勝手に思っています。

かと言いつつも、非常に癖のある第一話。でも「ワンチャンあると思ってる?」という石原さとみは最高だしセンター分けの千葉雄大も最高だから、まずはそこきっかけで見るのもいいのではないでしょうか。

 

『グッド・ドクター』(フジ/木10)

【小児外科の研修医となった湊はコミュニケーション能力に問題があるサヴァン症候群の青年だった。偏見や反発にさらされながらも、彼は一人前の医者として成長できるのか】

 

・クセのない良作の予感

山崎賢人がひたすら上手い!!!!

 

月火水と私の心の中の千鳥・ノブが「癖が強いんじゃ~~!!」と叫び続けていたのだけど、ここにきてやっと収まった感。

とにかく山崎賢人が上手い!彼は本当に何でもできると確信した初回。医療ドラマとして考えると、あの緊迫感やスカッと感は少ないというかほぼ無いのだけど、今作はあくまでも湊の成長と周りの医師たちが今後どう変わっていくかを描いていくんじゃないかと。医療ドラマも結構飽和状態かなと思っていたけど、新しい切り口の作品だと思う。上野樹里のキャラクターがとてもいいので、今後どう関わっていくかが楽しみ。

 

『チア☆ダン』(TBS/金10)

【幼い頃に名門「JETS」に憧れていたわかば(土屋太鳳)が転校生の汐里(石井杏奈)に誘われ、チアダンス部を設立し全米制覇を目指す】

 

・夏、夏、夏~~~~!!!!

・意外と女子高生に見える土屋太鳳

・福井弁という今作最高のスパイス

 

夏ドラマに持って来いの爽やかさ溢れる作品。もうこの手の作品は失礼ながら脚本とか演出よりも、キャストの成長を見守るのがメイン!可愛い女の子たちがああだこうだ言いながら頑張る姿って最高だなぁと思います。

放送開始前から散々言われていた「土屋太鳳が女子高生に見えるのか問題」だけど、これが見える!!失礼なのは百も承知で言うけど見える!!しかし土屋太鳳・新木優子(太鳳の姉)・広瀬すず新木優子の先生)が同じ画面にいたときは、さすがに時空が歪んでいた。こけたくないから実力派女優を主役に据えたくなる気持ちもわかるけど、あまりこけそうにない王道な作品だからこそ無名の新人をドドーンと主役においてみても良かったんじゃ。

今作の魅力は何といっても「福井弁」!!標準語にはない温かみとか大らかさがあるのに、一点すると無神経なほどの刺々しさを持っていて、それがまた作品を何倍も面白くしている。石井杏奈ちゃん演じる革新的な東京のJKと保守的な福井弁のJKたちという対比も非常に良い。太鳳が飼っている犬と同じ「太郎」という名前のオダギリジョーもこれまた良いです。

 

『サバイバル・ウェディング』(日テレ/土9)

【寿退社したその日に婚約破棄をされたさやか(波留)。何もかもなくした彼女は、ドS編集長(伊勢谷友介)に拾われ「半年以内に結婚しないとクビ」と言われてしまう】

 

・恋愛指南×ファッション業界のマーケティングというイマドキ感

・まだメイン二人が波に乗れていない感

・ただただ吉沢亮が可愛いやん

 

韻踏んでみました。

かつての「私結婚できないんじゃなくて結婚しないんです」のような恋愛指南コメディ。伊勢谷さんがする恋愛指南は的を得ているところも多々あり、気ままなアラサー独身OLは所々胸が痛くなった。

しかしテンポがいい脚本なはずなのに、個人的には間延びした印象をうけた初回。脚本のテンションにメイン二人が追いついた時に、また何倍も面白くなる作品なのかなと思います。それでも吉沢亮は可愛い、だからいいか。風間君演じる摩訶不思議なクソ元カレが今後どう動くのかも気になる。

 

というわけでざっくり初回!

今の段階で相当癖が強いクールだなぁと思います。あまりドラマを見ない人にも見やすいのは「グッド・ドクター」や「チアダン」あたりですかね。個人的には野島好きなんで「高嶺の花」に期待しています。

 

ちなみにテレ東系深夜「GIVER」「インベスターZ」も見ましたが、なんともまぁテレ東らしい深夜だなという感想。GIVERは見るかもだけどインベスターは落ちちゃうかな。「バカボンのパパよりバカなパパ」はひたすらなげえ!!という感じです。後半も頑張ってあげます。よろしくお願いします。

最終回目前!今からでもわかる「あな家」のあらすじを書いてみた

 

asunako-hakusho.hatenablog.com

 


私は頭を抱えていた。
前回「モンテ・クリスト伯」をより多くの人に見てほしいが為に記事を書いたのはいいが、ネタバレになってしまう故に内容についてはあまり書くことが出来なかった。結局私があの記事で伝えられた事は、おディーン様の新曲「Echo」がものすごく良い曲だということだけだったのではないか。

こんな私でも作品自体の良さを伝えられる面白いドラマが、他にあるんじゃないか。そう考えた。あった。

 

 

あなたには帰る家がある(TBS金曜10時)

www.tbs.co.jp

 


前回書いた「モンテ・クリスト伯」に負けず劣らずの面白さがある「あなたには帰る家がある(通称:あな家)」もしあまりドラマを見ていない人に今期のオススメを聞かれたら、私はまずこの作品を挙げるようにしている。

もう何番煎じだと言われようが「不倫」という題材は人を夢中にさせる要素があるし、脚本のテンポも良い。役者のお芝居もそれはそれは見事だし、普段あまりドラマを見ない人でも見やすい作品だからだ。見た人によって受ける印象が違う「体感型ドラマ」な点も面白い。

 

しかしそうは言えど、現段階で既に9話まで放送済み…何なら今日は10話だ(書くのが遅い)

面白そうだけど今からついていけるはずがない…という方に向けて、僭越ながらこれさえ読めばバッチリ的な勢いのあらすじを書かせていただこうと思う。

 

あらすじ

 

 

玉木宏木村多江が不倫する

 

 

 

 

以上!

 

 

 

 

おいおいこんなんでわかるわけねえだろと思った方々。大丈夫。「あな家」はこれさえ押さえておけばついていける。

あらすじもスーパーウルトラ簡素だが、登場人物も押さえておくのは一先ず4人だけでいい。

 

主要人物

佐藤真弓(42/中谷美紀)

旅行代理店「ラクタビドットコム」に勤めていたが、妊娠・結婚を機に退職して結婚13年目の専業主婦。家事は適当でガサツだが、弱音は吐かないなど強気なところがある。(Wikipediaより)

 

今作の主人公。四人の中で唯一の常識人とも言える。

 

浮世離れした美しさを持つ永遠の綺麗なお姉さん・中谷美紀が中学生の母親役なんて…と始めは思っていたし何なら1、2話までそう思っていたけれど、今ではすっかりハマリ役。テレビ前で我々が「ハァ??」と思うことは、大体彼女が代弁してくれる。真弓の言葉にテレビ前でついつい「わかるわ…」と言っちゃう人も多いだろう。


ちなみに、多くの人の心に刺さる真弓の台詞の中で私が一番好きなのは、朝から家に乗り込んできた不倫相手(木村多江)に向かって言った「あんた頭おかしいよ」頭おかしい奴が目の前にいたら言ってみたいですね。



佐藤秀明(39/玉木宏

 住宅販売会社「渚ホームズ」勤務。几帳面で細かいことを気にする性格。映画とメンチカツが好き。(Wikipediaより)

 

バカ。

本当にバカ。ロマンチストバカ。玉木宏の顔をしたバカ。

 

 

担当している客の奥さん(木村多江)に手を出すという最低な行為を犯してから地獄まっしぐら。バレてからは猛省し家族再生の為に復縁に挑むが、何と言っても詰めが甘い。バカだから詰めが甘い。

玉木宏なのに全く格好良くない役柄だが、玉木宏だからこそ個人的には憎むに憎み切れない罪な男である。ちなみに「あなたには帰る家がある」という表題だが9話時点で秀明が帰る家はなく、小さなアパートを借りている。

 

 

那須田太郎(47/ユースケ・サンタマリア)

早瀬中学校の国語科の教師。二世帯住宅に建て直そうと、夫婦で秀明の会社のモデルハウスを訪れる。(Wikipediaより) 

 

屑。

 

世の中の嫌な奴を一つに集めたら、茄子田という男になるんじゃないかと思う。

「価値観が古代時代くらいで止まっているのでは…?」と疑うほどの男尊女卑思想。亭主関白で横暴、更にドン引きな点が妻に夜生活を強要しているということだ。ど、どんだけ〜。セクハラ・パワハラモラハラとハラハラハラ!ハラスメントと辞書で引いたら、意味の所に茄子田と記載しても良いレベル。

 

ポイントは茄子田の職業が「教師」だということ。恐らく彼が一社会人として会社という組織に所属していたならば、こんな類のモンスターは誕生していなかったのではないだろうか。ちなみに、茄子田の学校の修学旅行を担当しているのが真弓。真弓にとっても秀明にとっても、茄子田は「大切なお客様」なので尚更つけあがっていると言う訳だ。


そんなモンスター・茄子田だが、後半からは妻・綾子へのどうしようもない愛情や、意外に可愛げがある奴だという事が判明する。可愛げがあると言っても毛が生えた程度で実際は1ミリも可愛くはないけれど、茄子田が改心する日は来るのだろうか(そして十話を見て土下座する私)

 

 

茄子田綾子(43/木村多江)

家庭的で料理上手な美人。「家庭を壊すつもりはない」と言いながら、秀明の携帯に頻繁に電話をしてくる。秀明が自分を拒絶するのは真弓のせいだと思っていて、秀明にしつこく付き纏う。(Wikipediaより) 

 

 

化け物。

申し訳ないが化け物。

 

大雑把な真弓と対比する存在なのが綾子。中谷美紀の対抗馬として木村多江を持ってくるところに抜群のセンスを感じる。

主婦として家事に従事し「良妻賢母」を絵に描いたような人物として描かれていたが、時にはその女性らしさが暴走し、我々の予想の遥か斜め上を行く事も多々あり茶の間に爆笑を巻き起こす。

例えばBBQで手作りソースを用意したり、お手製のメンチカツを真弓の職場に差し入れしたり、ケジメをつけようとした秀明が綾子を呼び出した際にはピクニックのお誘いと勘違いしたのか、トルティーヤを作ってきた(さすがの秀明もこんなものをクルクル巻いている場合じゃないと言っている)こんな厄介な女に引っかかるバカなんているのか。いた(佐藤秀明に戻る)


先述した通り、後半では朝7時から佐藤家に乗り込み佐藤家の娘(麗奈)の前で「貴方のお父さんと私、とても愛し合ったの!」と叫び出したり、秀明の新居に行った際に勝手に合鍵を持ち出し不法侵入するなど暴走っぷりが加速してきた綾子。なんなら犯罪だ。

9話では自分の母親が危篤状態にも関わらず「秀明さんが実家に送ってくれたら母に会う」と駄々をこねていて本当にどうしようもない女だと思った。絶対近くにいてほしくない。

このどうしようもない女は過去に一癖あるらしく、10話では綾子の生い立ちが明らかになる。

 

 

「不倫」の先にあるもの

 

題材は不倫だが、このドラマの本質はそこではない。

現に2・3話で秀明の不倫は早々に発覚するし、中盤で真弓と秀明は離婚する。不倫はあくまでもきっかけに過ぎず、その後の家族の物語を描いている。


今作は随所に出てくる「男女での考え方の相違」が面白い。

 

例えば佐藤家の場合。
お互いを「パパ」「ママ」と呼び合い、ベッドこそ同じもののそういった生活は一切無かった。秀明はともかく、女と見られていないと自覚した真弓は危機を感じ、冒頭では普段の立ち振る舞いや家事などを努力するシーンがあった。「大事な家族」ということに意識に変わりはない二人だが、少なからずも真弓には秀明に対して未だそういう気持ちがあったのだ。

 

そこに現れたのが「綾子」。自分の妻にはない綾子の色気や女らしさに、バカで単純でロマンチシズムな秀明はまんまと恋に落ちていった。家族を壊したかったわけではない。綾子と恋をすることも家庭円満の秘訣だと考えていた秀明なバカ。あ、違うバカな秀明。

 

しかし真弓より年上の綾子に、なぜ未だ女としての「現役感」があるのだろうか。

それは40を超えても母となっても尚、綾子は「女」として扱われているからだと思う。しかも一番近い異性である夫から。

皮肉にも秀明が惹かれた綾子の女らしさの理由は茄子田にあり、逆を言えば年々表面化する真弓の女らしさの欠如は秀明にも一因があるということだ。

 

不倫発覚後も二人のすれ違いは続く。

秀明は自分の行いを反省し、家族の為に良い夫になろうとバカはバカなりに涙ぐましい努力をしていた。真弓は真弓で中学生の娘を思い、このまま秀明と家族を続け馬車馬のごとくコキ使うのも悪くないな!と思っていたが、ある事を機に離婚を決意。どんな形になっても真弓と「家族」でいることを選んだ秀明に対し、真弓は秀明と「夫婦」でいることに限界を感じた。家族でいることや娘の大切さよりも、かつて愛した秀明への悲しみの方が勝ってしまったのだ。

 

「悔しいけど、私って自分で思ってたよりずっとパパのこと好きだったんだなって」

「だからパパ、私傷ついたよ。すごく傷ついた」

 

怒るのではなく涙をこぼしながら秀明に思いを打ち明ける真弓。秀明は真弓を抱きしめて謝るも、二人が戻ることはなかった。真弓と秀明、二人の考えの違いが顕著に現れたシーンだったと思う。

 

「あな家」のエキセントリックさは言わばファンタジーかもしれないが、登場人物の感情描写は緻密で非常にリアリティがある。山本文緒氏の原作の力も勿論だが、ドラマ制作前に100人以上の女性の意見をヒアリングしたらしく、それがかなり効いている。

原作とは登場人物の年齢や結末も全く違うそうで、特に今作の綾子の暴走っぷりはドラマ版の方が凄いとか。原作を読んだ方でも一味違った展開を楽しめるドラマに仕上がっている。

 

この広げに広げまくった話、果たしてあと二話で終わるのだろうか…?!と思いつつ、すっかり毎週金曜日が楽しみになった。個人的には有名な祈祷師とかを雇って、綾子を祓わない限り佐藤家に幸せは訪れない気がす(綾子は怨霊ではない)しかしもう真弓と秀明の力、いや人類の力で彼女を止めることは不可能じゃないだろうか。

 

最終回まで残り二話、なんなら本日10話放送!「あな家」ならではの癖のあるエキセントリックな結末を期待したい。superflyと共に「♫地獄へ落ちてゆけ〜!!!」 という準備は既に出来ている。

 

 

 

 

「モンテ・クリスト伯」の視聴率が低すぎるのTell me why?

「花晴れ」と「あなたには帰る家がある」しか見ていないという会社の先輩に「今期で何が面白い?」と聞かれ、モンテ・クリスト伯と答えた。

すると先輩に「ディーンは演技も顔も良いけど歌がダメだから見てない。というか俳優が歌を歌うのに抵抗がある…」と言われたので、ついカッとなり「むしろ顔と歌がいいじゃないですか!!!!」と机ドンをしてしまった。ファンか。いやファンなのかも…

 

モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐(フジテレビ木10)

おディーン様のファンの方が見てくださっていたら、冒頭からごめんなさい。

 

なぜ今回モンテ・クリスト伯(以下:モンクリ)のことを書こうと思ったかというと、面白さと視聴率がまったくと言っていいほどに比例していないから。

あれ、これ前クールもその前も言ったような…。そう。何と恐ろしいことに、前クールの「となかぞ」「刑事ゆがみ」と全く同じ現象がこの「モンクリ」でも起こっている。

2018年春から視聴率の測定方法が変わり、今まで日の目を見なかった作品たちが遂に報われる時代が来たと思っていたが全く変わらなかった。

 

こんんなに面白いのに…?

 

私のTLではこんんなにも毎回盛り上がっているのに…?ell me why so why sowHHHHHHHHYYYYYYY!!!!???

というわけで私のTLでは視聴率80%といっても過言ではないモンテ・クリスト伯」の魅力を、まだ見ていない方々に向けてこのままのテンションで三つお伝えする。もうオチが見えているけど気にしない。

 

 モンクリの魅力①神が采配したのかと思うほどの隙の無いキャスティング

テレビドラマの低視聴率の原因の一つに「役者嫌い」というものが考えられる。例えばモンクリの場合、名指しで大変申し訳ないが「ディーンだし…」「ジャニーズだし…」で避けている方もいるのではないだろうか。

 

主演のおディーン様は、まさに賛否両論ある役者だ。

朝ドラで旋風を起こして以来、数々の話題作に引っ張りだこ。沢山ファンもいる反面、そうでない人もいるだろう。まあこれはスターが背負う一種の宿命みたいなものなのだけれど…まさにそれがおディーン様だ。

 

しかし彼は役にあたると、ドドドドドハマりする役者なのだと声を大にして言いたい。どハマりじゃない、ドドドドドどハマり。

  

五代様以来、ドラマでおディーン様の良さを発揮できていた作品は少なかったように思う。個人的に言うとTBSのIQ246くらいで、もし私がおディーン様のマネージャーならば少なくとも「イマキョー」は絶対に断っている(ちなみに坂道のアポロンのおディーン様は最高)

  しかし今回の「柴門暖」ならびに「モンテ・クリスト・真海」という役…これがまさに、おディーン様にドドドドドはまりの役なのだ。ちなみに、今作で登場する「柴門暖」と「モンテ・クリスト・真海」は同一人物である。

 

元々おディーン様は「柴門暖」という青年だった。
守尾漁業という水産会社に勤め、海と仲間と山本美月を愛する柴門暖。それが一変、知人たちから謂れのない罪を着せられ投獄される。そこから見事な脱獄を果たし、10数年の月日を経て生まれ変わった姿こそが「モンテ・クリスト・真海」なのだ。何を言っているかわからないかもしれないけど、それがモンテ・クリスト・真海なのだ。

モンテ・クリスト・真海って何だよと鼻で笑っていても、いざ、おディーン様に微笑みながら「どうも、モンテ・クリスト・真海です」と言われたらなんか納得してしまいそうだし、ん?と思いつつも、「へーこの人、モンテクリスト真海さんって言うんだ〜」と思ってしまうだろう。このモンテ・クリスト・真海という少々トンチキな名前もさらっと着こなすのがおディーン様。今の日本でこの名前がしっくり来るのは、おディーン様かクリス・ペプラー氏くらいしか思いつかない。

 
真海はある人物から莫大な財産を受け継ぎ、それを元手に投資家として大成功をおさめた。気品溢れるおディーン様のお顔立ちは「桁違いの財産を持った謎の投資家」という浮世離れした設定にも負けずにピタッとフィット。今となってはあの独特な台詞回しも、金持ちならではの「余裕」や「凄み」を感じさせる。

 

十数年の投獄生活で真海が得たものは、莫大な財産だけではない。豊富な知識と屈強な精神も手に入れた。今作のモンテクリスト伯は英語や日本語をはじめ、なんと4ヶ国語を話すというマルチリンガルっぷり。やはり「英語など多国語を流暢に話せる」という条件だけで考えてみても、この役ができるのはおディーン様し…いやクリス・ペプラーも話せるな!!?

 

冗談はさておき。

 

彼の運命が変わる銀行でのシーン。名前を聞かれた際に「柴門暖」でも「モンテクリスト」でもなく「Monte Cristo」と答えるおディーン様は最高にCOOLだった。是非見てほしい。このシーンの為におディーン様をキャスティングしたのでは、というくらい印象的な場面だ。

冷酷な笑みを浮かべ裏切られた知り合い達を掌で転がしつつも、且つての恋人だったすみれ(山本美月)の前ではその氷のような表情が解け、切なく歪むおディーン様のギャップも良い。とにかくおディーン様のハマリ役だ。

 

そんなおディーン様を支える役者陣はというと、豪華なことは勿論だがどちらかというとかなりの技巧派が揃っている。

先ほど「ジャニーズは…」と書いたが、今作に出演している関ジャニ∞の大倉くんは全くソレを感じさせない。暖を欺いた一人・人気俳優の南条幸男を演じているが、少し影のあるスターっぷりがとても板に付いてる。圧倒的な正統派ヒロイン・山本美月も可愛い。

他にも高橋克典新井浩文稲森いずみ山口紗弥加伊武雅刀田中泯まって何なんだこの隙の無さ!!

 

囲まれたら窒息してしまいそうなほど隙が無いキャスティング。サザエさんで言うと、サザエさん一人に対して5.6人フネさんがいる感じ。マスオの入る余地などない。

そのガッチガチの中堅・大御所の中に入ってきた若手が、高杉真宙葉山奨之岸井ゆきのって嗚呼、もう何つういやらしさ…!(褒めてる)そこにひょっと現れた桜井ユキも、我々に強烈なインパクトを残した。一人いるだけで心強いフネさんがまさかの複数人いて、それぞれが匠の仕事をしている作品…それが「モンテ・クリスト伯」。食わず嫌い見ず嫌いだった方も、まずはチャンネルを変えてみていただきたい。フネさん達にすごい勢いで引きずり込まれます。

 

モンクリの魅力②急転直下の怒涛の展開が凄まじい!

 今作は所謂「復讐モノ」だが、その復讐が過去見ないほどにエグい

原作読破をした方々の「ドラマの方がえげつない」というツイートもよく見かけるし、私も今作を見ている時にうまく息ができていないんじゃないかと思うほどに毎回息苦しい。毎度毎度後半からの盛り上がりは特に異常で、物凄いスピード感で容赦なく我々視聴者を打ちのめした後、更にとんでもない次回予告が入り毎回放心状態。そう、この作品全くと言っていいほど「躊躇い」がないのだ。

 

 

これは6話を見ていた時の私の実況ツイートだが、恐らくこの呟きの間約五分間、私はツイートどころか息をしていない。息を吸うのを忘れていたような気がする。

しかし怖いもの見たさで毎回指の隙間からマジマジと見てしまうような面白さがあるのがモンクリなのだ。

 

1を言ったら100のネタバレになってしまうのと、おディーン様の下りで熱くなりすぎた故に詳しい内容は控えるが、モンクリは次回予告の出し方も最高にいやらしい(褒めている)正確にいうとラスト5分から次回予告の流れが完璧すぎて、来週も見なくては!早く見たい!という衝動に駆られるどころか、明日大好きな花金だけど、この続きがすぐ見れるならば一層のこと明日も木曜日でいいのではないかという気持ちにさえなる。

 

「次回予告を見て来週が待ち遠しくなる」というのは、連続ドラマならではの醍醐味であり特権。普段一話完結ものを好んでみるという方にも、是非「モンクリ」でこの気持ちを味わってほしい。

モンクリの魅力③主題歌が良い!!!!!!

声を大にして言いたい。曲がいい!!!!!!!!!!!!!!!

 かねてから、私はおディーン様の歌が好きだった。2017年秋ドラマで「今からあなたを脅迫します」というおディーン様主演の作品があったのだが、これがまた何とも言えないほどのどチープ作品だった。しかしその中で、おディーン様の歌う主題歌「Let it snow!」だけは輝いており、紛れもない名曲だと声を大にして叫びたい(♪なぜ~~雪~をみ~ると)

だがそんな名曲「Let it snow!」を、今作の主題歌「Echo」は超えた。優に超えた。

一話で聞いた時から衝撃が走った。二話からはもう口ずさんでいた。あっ、こんなことを書いt…ell me why so why sowHHHHHHHHYYYYYYY~~~~~~~!!

ちなみに青木カレンさんが歌うメインテーマ「set a fire」も作品の空気にドンピシャ。あれずっとサーテファーイって言ってると思ったら「set a fire」なんですね。

 

そんなわけで始まる前は全くといっていいほどノーマークだった「モンテ・クリスト伯」。「ああ、またおディーン様が無理難題な作品をふられて低視聴率云々言われるに違いない」と思っていたけれど、見ごたえバッチリ、役者のポテンシャルを余すことなく活かしている今期の名作でした。

毎週楽しみにしているし、モンクリのことを考えているtell me why so why sowHHHHHHHHYYYYYYY~~~~~~~!!

 

頭の中でおディーン様の曲が流れるんです。どハマりしているんです、ええ。

そんな私もきっと、モンテ・クリスト・真海さん並びにおディーン様の掌で、転がされている内の一人なのかもしれない。

 

Echo 初回盤A

Echo 初回盤A

 

2018年春ドラマ一言感想

2018年春ドラマが始まり、もう一ヶ月。

毎期毎期書こうと思っていて書けなかったので、今期こそは…!!!

いつもより更にくだけています(敬称略です、すみません)

 

記載している作品以外は未視聴ですので、ご了承ください。

オススメ度も書いてみました。あくまでも今期の中で比較してます。(MAXは星5)

 

1:コンフィデンスマンJP(フジ月9)

オススメ度:★★★★★

 

長澤まさみ×東出昌大×小日向文世の痛快詐欺師コメディー。不二子ちゃん主役のルパン三世みたい。

初回が30分拡大で少しモタつきを感じてしまったのだけど、二話以降の面白さが異常。ジェットコースターのようなスピード感で、疑問に思わず作品に身を委ねることが出来たら、非常に楽しい時間を過ごせる。古沢良太ならではのウィットに溢れた言葉選びも秀逸。

この御三方の為に書かれたようなハマり具合で、今作は御三方の代表作の一つになる気がする。東出くんは間違いない。

 

2.シグナル(フジ火曜9)

オススメ度:★★★★☆

 

韓国ドラマを坂口健太郎主演でリメイク。未解決事件を、過去とやり取りができるトランシーバーを使って解決に導く。

前クールが同じようなテイスト(亀主演のファイナルカット)だったのに何故今回も似たような作品を…!(身内が冤罪で命を絶った主人公)と思っていたけど、前枠とは全く違う骨太な事件モノ。

原作の韓国ドラマが実際にあった未解決事件を題材にしてる為か、メッセージ性も強い。

昨今の刑事モノでは珍しく、一話完結ではなく連続モノなので集中力を要する。現に、暇さえあればドラマを見まくっている私は一度では理解できず二、三回繰り返し見ている(作品自体がわからないということではなく、集中力と記憶力がない)

 ちなみに主役の坂口健太郎は刑事だけど、プロファイリング専門。実際に行動を起こすのは、過去の時間軸に生きる北村一輝。坂口健太郎北村一輝への扱いが中々雑なので、もっと優しくしてあげてほしい。

 

3:花のち晴れ(TBS火曜10)

オススメ度:★★★★☆

 

みんな大好き「花より男子」の続編実写化。

どうしても前作が頭をよぎるし、前作のキャラクター(F4)も出演しちゃうもんだから、どう足掻いても前作と比べちゃうのだけど…それは原作通りなのではないかと。

イジメの問題など、少し時代錯誤感はあれど、花男イズムの面白さは2018年でも健在だと感じた。

 

井上真央ちゃんの後継者が杉咲花ちゃんというチョイスは大正解だと思うし、花ちゃんの婚約者・馳天馬を演じる中川大志くんも非常に良い。二人の共演は、夜行観覧車大好き人間としては嬉しいばかり。

私的なことですが、わたくしジャニヲタという人種なので神楽木役の平野紫耀くんの演技も見慣れていまして…。始まる前まではこの二人に肩を並べるなんて大丈夫?!と思っていたけど、今では良いじゃん?!!と思っているくらいなのですが…どうなのでしょう。むしろ聞きたい。

 個人的にはコレクト5の活躍がもっと見たい。というか、何で4人じゃなく5人になったのか、その存在意義を知りたい。今の所コレクト3というか、コレクト1でも良くないか…?(おそらく良くない)

今後、更に面白くなるんじゃないかという期待を込めての★4。宇多田ヒカルの挿入のタイミングは見直してほしい。

 

4.正義のセ(日テレ水10)

オススメ度:★☆☆☆☆

 

阿川佐和子の原作を吉高由里子で実写化。恋に仕事に生きる、新米検事のお仕事ドラマ。

いやー。日テレのこの枠ってダークな作品とライトというかチープな作品が入り乱れる枠なのはわかってはいるのだけど。だけど、今作は完全に後者。

 

事件のトリックが単純すぎて「こういうのどこかで見たな…」というのが毎回。99.9のように現場に証拠を取りに行くというのが吉高由里子のモットーなのだが、なぜ、なぜ99.9の次のクールでこの作品を持ってきてしまったんだ…!と言うくらい骨組みがチープ。

そして毎回というわけでは無いらしいけど、真実が判明する直前に何故か吉高由里子が事件現場にタイムスリップというかワープというか…その事件現場での記憶に入り込めるという特殊能力を発揮する。お前は何を言ってるんだと思うかもしれないし私も何を言っているのかわからないが、兎に角、吉高由里子の特殊能力が物語終盤に発揮される。

 

個人的に、お仕事ドラマならば緻密さが欲しいし、本当に特殊能力を持っている設定の特殊能力ドラマならばそれを全面に押し出してほしい。

女子力全開の吉高由里子というのも個人的にはミスマッチ。ツッコミどころは満載。

 

5.モンテ・クリスト伯(フジ木10)

オススメ度:★★★★☆

 

おディーン様による「巌窟王」の現代ドラマリメイク版。

初回から面白いと思っていた作品の一つ。原作を全く知らないので初見で楽しく見ることができる。原作をご存知の方にはツッコミどころが多い作品なのかも。

座長のおディーン様は相変わらず癖が強いのだけど、キャスティングするならばやはりおディーン様しかいないのでは…?!と毎回感じる。

大倉くん始め、脇を固める役者のセンスが絶妙。木10ならではの影がある作品の撮り方も良い。ツッコミしつつ次も見なくては…!という気持ちに毎回駆られる。

そしてこれ言うの何回目だよという感じだけど、おディーン様の曲が良い。

 

6.ラブリラン(日テレ木深夜)

オススメ度:★☆☆☆☆

 

日テレのライト枠。30年間彼氏無しの中村アンが記憶喪失に…気づいたら三ヶ月の時が経っており、自分の風貌も180度変わり何と会社の後輩と同棲していた…!という話。漫画実写化。

 

中村アンといえば、今や毎期必ず何かの作品で見るのではと思う程の人気女優。

何でも出来るイメージだったけど、個人的には、主役よりはバイプレイヤー…というか…飛び道具的な立ち位置の方が、彼女の良さが伝わるなぁと感じた作品。

古川雄輝くんが好きならば見たほうが良い。深夜に緩く見られるラブコメだけど、特にオススメしたいほどの要素は無い。古川雄輝くんは格好いい。主題歌が合っていない。

 

7:あなたには帰る家がある(TBS金10)

オススメ度:★★★★☆

 

山本文緒氏の小説の実写化。

一言で言うと不倫モノ。何番煎じなんだよ…!と侮るなかれ。男と女の生き方、家族のあり方を考えさせられる作品。

 

何と言ってもメイン4人(中谷美紀玉木宏ユースケ・サンタマリア木村多江)がうんんんんんんまい。非常にあっている。

綺麗なお姉さん代表の中谷美紀がオバさんを全力で演じ、その対比が木村多江というチョイスが神がかっている。玉木宏はどうしようも無いダメ男なのだけど、他人から見たら少し、可愛らしさというか、許したくなるような愛すべきバカなのが憎い。ユースケ・サンタマリアの屑っぷりも炸裂。

中谷美紀のズバズバの物言いも爽快だし、「こいつらムカつくわ〜!!」と思うところでSuperflyが「地獄に落ちてゆけ〜!!」と歌ってくれるのでスカッとする(主題歌の話)

 

8:家政夫のミタゾノ2(テレ朝金曜深夜)

オススメ度:★★★★★

 

みんな大好きミタゾノの続編。

続編を作る、というのは非常に難しいと思うけど、その期待を全く裏切らない続編。もしかしたら、ミタゾノさんはドクターXや特捜などに続くテレ朝の看板になるんじゃないかと思うほどの勢いがある。

 

松岡くん演じるミタゾノさんも非常に安定しており、男か女か何者なのかということは全く気にならなくなってしまった。相変わらずスカッとする内容で、「こうなるのでは」という凡人の予想の斜め上をいく展開。毎回楽しい。特に最新話の小説家の話は非常に面白い。

ただ、前作の相棒・ふみかすに比べると、今作の相棒・剛力彩芽は非常に色が強い。あの唯一無二のキャラクター・ミタゾノさんの相棒が、元々テレ朝深夜で主役を張りまくっている剛力ちゃんというのは蒸せそうになる。こ、こゆい、ど、どっちもこゆい…!と。

正直ふみかすが恋しい。ぐすっ。でも面白い。

 

9:Missデビル 人事の悪魔・椿眞子(日テレ土曜10)

オススメ度:★★☆☆☆

 

悪役の女王・菜々緒がついに主役!突如

大手保険会社に現れた椿眞子が、会社の闇をスカッと成敗するお仕事?ドラマ。

 

去年から新設された土22時枠という名の新設ジャニーズ枠。ライトな作品で見やすいというのが特徴だったはずが、今作は首を傾げる。

セクゾの佐藤勝利演じる新入社員・佐藤が各部署に配属され、人件費削除のためにリストラ候補を見つけてこい→椿眞子の美脚で成敗!というのが流れだけど、いまいちスカッとしない。スカッとしないスカッとジャパン。

コメディかと思えば結構闇を抱えていて、そこがどう展開するかが今後の見所だと思うけど、割と摩訶不思議な作品。佐藤勝利くんが好きならば見たほうが良い。私は好きです、ええ。

 

10:おっさんズラブ(テレ朝土曜深夜)

オススメ度:★★★★★

 

なぜか2016年の大晦日に放送していたSPドラマの連ドラ。主役・田中圭、ヒロイン・吉田鋼太郎、ライバル・林遣都という絵面も字面も強い内容。

テレ朝深夜の真骨頂とも言える今作で、ラブコメとしてもかなり秀逸。ツイッターでも言った通り、何かを伝えよう世の中に訴えよう、という意義がある作品を作ろう、作らねばという風潮の中、何の意味も持たない面白いだけの作品を世に送り出そうとしたテレ朝の心意気に感服した(褒めてる)

絶妙なテンポの脚本と、役者の全力の芝居が面白い。何なら吉田鋼太郎が只々面白い。今後の作品で吉田鋼太郎を見ると間違いなく部長姿の吉田鋼太郎が頭を過る、というよりは棲みつくのではないかと思うくらいインパクトが有りすぎる役。田中圭も最高だし、林遣都くんは特に最高(当社比)あと、主題歌がスキマスイッチなことが輪をかけて面白い。

 

11:ブラックペアン(TBS日曜9)

オススメ度:★★★☆☆

 

小説原作の実写化。

同僚の医療ミスを防ぐために、ニノ演じる天才外科医が「1000万で解決してやるよ!」ともみ消す話かと思っていたがどうやら違う…?!

三話現在、スナイプという医療器具が主役になっているのでどんな話だったか忘れてしまった。

個人的に、医療モノと事件モノはハズレなしで面白くて当たり前!と思っているのだが、今作には終始違和感…。医療モノならではのスッキリ感もなく、終始どよんとした雰囲気が漂う。

日曜劇場だからどうにかなるだろうと期待を込めての★3。こんな病院には当たりたくない。

 

12:崖っぷちホテル(日テレ日曜10時半)

オススメ度:★☆☆☆☆

 

戸田恵梨香が支配人を務める、まさに「崖っぷち」なホテルに元三ツ星ホテル副支配人の岩ちゃんがテコ入れをする話。

枠の話はさておき、放送開始までは非常に期待していただけに、非常に残念。ドラマの脚本というよりはアニメのような、ライトノベルのような…。全体的にチープ。

戸田恵梨香を始め、本業役者陣は月9も張れるのではないかという豪華さなだけに非常に勿体ない。何なら、りょうと渡辺いっけい鈴木浩介をここに使うのが勿体ない!

ただ中村倫也が好きならば見るべき。中村倫也はむちゃくちゃいい。スピンオフ作って欲しいと思うほどいい。浜辺美波ちゃんも可愛いけれど、彼女の本領はコレジャナイ感がする。

 

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一言というわりに、全く一言では収まりませんでした!

オススメ度でいうと「おっさんズラブ・コンフィデンスマンJP・家政夫のミタゾノ」が三強。しかし、★4の作品はどれも甲乙つけ難く横並びで、何なら★5とも大差がないくらい。中盤から更に面白くなる作品が多そう。

 

同じく★1、2も大して変わりはなく、ただ、★1〜2と★4〜5には越えがたい壁があるといった感じ。「いつまでも白い羽根」は二話か三話まで見ていたのですが、続きを見れず…今の所★2くらい。孤独のグルメは最早、別枠で★5です。

2018年冬ドラマにだだハマりしすぎていて、今季はなぁと思っていたけど面白い作品も多いですね!

テレ東とNHKを全くカバーできていないので、視聴作品増やしたい!と気持ちだけはある明日菜子でした。