私、ガッキーかもしれない 「獣になれない私たち」初回感想

「女の人、すごい格好だなぁって…ブーツかっこいい〜」

 

「…ああいうのってさ、どこにアピールしてんだろうな?」

 

「…どこ?」

 

「あれ好きな男、そうそういなくない?」

 

「…着たい服を、着てるだけなんじゃないの?」

 

 

恋人同士の何気ない会話にしては中々シビアだと思った。いくら田中圭相手だとしても、私もガッキーのように「誰しもが男に好かれたくて服を選んでいるわけじゃない」とやんわり伝えてしまうかもしれない。

 

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10月に入り、いよいよ秋ドラマが始まった。いつものバーのマスター曰く「夏は皆出かけることを見越して、秋ドラマに各局力を入れるんじゃない?」と言っていたから全国民が夏の思い出作りに行くと思ったら大きな間違いだと思いつつも、秋が来るのを楽しみにしていた。しかし月9のSUITSで少し肩透かしをくらってしまい、火曜の2作はというと輪郭があまり掴めなかった。となると、必然的に水曜日の「獣になれない私たち」への期待値が更に上がった。作品が始まる前から「この脚本家だから絶対面白い」とかドラマ好きにしか伝わらないようなことは言いたくないという変な気持ちがあったから言いたくなかった、言いたくなかったけれど。野木さんの「けもなれ」が面白くなかったら私は今期どうすればいいの…とまで思っていた。何故か少しの緊張感を抱いてドラマを見てみると、やっぱり面白かった。陳腐な表現だけど「さすが野木さん」としか言いようがない初回だった。

 

大天使・ガッキーは、今世ではECサイトを運営する会社で営業アシスタントとして働いている。クラフトビールバー「5tap」が行きつけで恋人は皆大好き田中圭という何ともキラキラな滑り出しかと思いきや、4年も付き合っている恋人にあまり本音は言えず、会社ではパワハラ社長に仕事を押し付けられ無気力の新人や戦力外の営業の尻拭いをさせられ、と心身ともに擦り減っていく日々を過ごしていた。私の周りに大天使ガッキーは勿論いないけど、ガッキー演じる「深海晶」のような人はいる。出来る故に頼られるけど自分自身は人に頼れず、困ってても周りを気にしてニコニコしている人、我慢している人。あそこまでひどい環境ではないし晶のように仕事が出来る人間ではないけれど、私にも思い当たる部分があった。私の中にも晶…ガッキーの部分があるかもしれないし、え、何なら私ガッキーかもしれな(略)

 

晶と出会うのが松田龍平演じる松田龍平、間違えた「根元恒星」だ。と言うのもこの根元という役が、まさに私たちがイメージする松田龍平まんまなのだ。個人事務所で会計士・税理士をしていて、感じが良さそうなのにスイッチが入ると他の追随を許さないほどの毒舌で攻める男・根元。松田龍平の恐ろしい所はどの作品のどの役においても、例えそれが180度違う役柄でも「松田龍平って普段もこんな人なんだろうな…」と見る側に思わせてしまう所だ。カルテットの別府さんの時も「普段の松田龍平って感じだな」と思ったのに、別府さんと全く違う今回の根元という役でも「普段の松田龍平って感じだな」と思ってしまった。実際、松田龍平本人が別府さんと根元の要素を持っていたら中々危ない二重人格だがそれでも思ってしまった。そんな根元は、菊地凛子演じる呉羽と付き合っていてカルテットの菊池亜希子に続き何とオサレな二人だと思いきや開始早々、呉羽は別の人(交際0日)と結婚すると言い出すのだからドッヒャーである。でも菊地凛子なら言いそう。

 

同じ店の常連客、という事くらいしか共通点がない正反対の晶と根元。公式曰く「大人たちのラブ(かもしれない)ストーリー」とのことで、先の展開が中々読めない上にラブストーリーだと思って油断していたらバリバリ社会派な側面も見せる、強烈な第一話だった。

 

放送終了後、様々な感想をTwitterで見た。

中には「想像以上に重い」「キツイ」という意見もあったほど、晶が置かれている環境は初回から堪えるものがあった。「大天使・ガッキーの御顔なだけで人生スーパーイージーモードっしょ!!」と庶民の私は思っていたけれど、ガッキーはガッキーで、美人は美人で大変なのだ。自分がどれだけ努力しようと、周りが変わらないと出口が見えない問題は辛い。しかしそこはあの野木さん。野木さんならどうにかしてくれると思った1話のラストだった。あの1話を見て、辛いと自分のことのように感じた小さなガッキーを抱える人たちにとって、少しでも胸が晴れるような展開になればいいなぁと思う。

 

そう言えば友達に「今度〇〇さんとご飯食べに行こうよ。何曜日がダメとかある?」と聞かれた。我ながらどれだけテレビ見たいんだよと思いつつも、春はモンテ・クリスト伯をリアルタイムで見たいから木曜日以外と言い、この間まではギボムスの為に火曜日以外にしてくれと言っていた。「何曜日でもいいよ、みんなに合わせる!」と言ってしまったけど、やっぱり秋もダメな曜日は言っておこう。そんなことを思った水曜の夜だった。