「転売されてる0巻を買うなら映画館で見ればいいじゃない!」実写・鋼の錬金術師を見てきました

「思ってたより、悪くなかった…」

 

映画が終わった途端、自分と同じ世代であろう目の前に座っていたお兄さん二人が話していた。エンドロールが終わり明るくなった瞬間、友人と私が言った第一声もそれだ。

というわけで、映画「鋼の錬金術師」を公開初日に見てきたので少し感想。

 

0巻がどうしても欲しいと友人に言われ、公開初日に見に行くことにした。

 

2001年から連載が始まったので、その時私は小学生だった。ハガレンを知ったのは中学生の時で何がきっかけだったかは忘れてしまったが、なぜかアニメからハマった。そして原作をその当時全巻揃えて、もちろん最後まで見届けた(ちなみに私が好きなのは何と言ってもマスタング大佐×ホークアイ中尉だ)

 

毎度の大前提だが、これは私個人の感想である。

 

この映画は原作「鋼の錬金術師」を知っている人こそが見る映画だと思う。

その人が見てどんな感想を抱くかはさておき、前知識がない方が見ると中々わかりづらい映画になっているからだ。

もしかしたらパンフレット等で捕捉されているのかもしれないが、映画単品としては分かりづらい。冒頭で物語のチュートリアルのように村人Aが説明セリフで丁寧に話してはくれるが、初見ならばスっとは入ってこないだろう。

更に言うと「賢者の石ってなんだ?」という確信に触れるのが遅かったし、ホムンクルスたちの目的もはっきりとしていなかったし、真理の扉が何なのかを説明するのが難しすぎるのでボヤっとしている。しかしあの作品を二時間半で且つ単品で収めるならば仕方ないのではと思う。

 

そう。「あれほど作りこまれている原作なので全部表現できなくても仕方がない」ということが少しでも頭によぎれば、最後まで気にせず…というかちょいちょい「おっ?」と思うことはあっても最後まで見れる作品だった。私の中では「よく纏めたな」というのが、先ほどに続き二番目の感想だ。ちなみに「おっ?」で収まらず「ええwwww」となったのは、個人的には内山君のグラトニーだけである。笑った、ただの悪い内山君で笑った(褒めてる)

 

話はそれたが、「漫画の実写化をどうとらえるか」という個々の考え方も関係しているような気がする。そりゃ原作に忠実で内容も良いのに越したことはないが、そんなもの恐らく奇跡に近い。

私の中で漫画の実写化は「作品を元として作っている何か」であり、二次創作的な感じのモノというふわっとした受け止め方だ。花より男子』や『DEATH NOTE』が受け入れられたのも、「原作をそのまま忠実に再現できた」というよりは二次創作的な亜種として成功したからだと思っている。松潤の道明寺も、藤原竜也夜神月も最初は受け入れられてなかったはずだ。もし原作をそのまま忠実に再現してほしい!という人から見たら、あの二作への評価はまた別のものになっている気がする。そう思う人の気持ちも至極当たり前のことだと思うので、否定する気はないと再度お伝えしとく。

 

冒頭は幼い兄弟と母のシーンから始まり、人体錬成に移る。原作の冒頭の見せ場でもあるが、それを映画で再現すると難しかったのか、突拍子もなく(言っては悪いが)チープなCGが入る。それがウケる。あ、ここでも笑ってた。思わずウフフと笑ってしまった。

ちょくちょくそのチープなCGは入ってくるのだが、そう思っていて舐めていたら私のように驚くだろう。大人になったエドVSコーネロのバトルシーンは圧巻だった。普段アクションものなどを見ない私は単純に、CGすごい!と興奮した。鎧姿のアルフォンスの完成度も高く、アルはあの世界に確かに存在していた。

 

私の中では、エドもあの世界に存在していた。

情報開示の時から「エドを演じるなら、そりゃ山田君しかいないよな」と思っていたので、元から山田君のエドには賛成だった。見た目もさることながら、身長…そして、小柄な体に似合わない隠された筋肉。そのミスマッチさが何よりもエドワード・エルリックぽいのだ。所々喉を閉めて発声するところも、アニメでエドを演じてらっしゃる朴さんを意識しているのかなと思った。

アニメと言えばエドだけでなくアル役の釘宮さんも絶対的な存在だが、映画版でアルの声を担当した水石さんも良かった。「くぎみー以外のアルフォンスなんて受け入れらるのだろうか…」とかつての声優ヲタクな自分が久しぶりに顔を見せたが、水石さんのアルフォンスも良かった(二回目)真理の扉にいた片目しか見えなかったアルフォンスも美少年だった。

ヴィジュアルが出た当初から評判が良かったホムンクルス三人衆は、もうこの人たち以外はあり得ないと言うほどのクオリティだった。大総統が登場しない為かホムンクルスの存在理由や目的は非常にあやふやだが、あの三人を見ると小さいことは気にすんなと私の中のゆってぃが踊っていた。

ちなみに私の一押しは、勿論エンヴィー役の本郷奏多さんだ。

使い古したモップみたいな髪型をさせられているのにそこからチラリと見えるお顔は非常にキュートで、普段グミしか食べないという異質さが生んだあの繊細な体は見事だった。

よくわからない髪型に加えよくわからない服装で耐えれる画の本郷奏多は選ばれた存在だと思わずにはいられなかった。

某TMレボリューションさんのようなタイトな服装をしているエンヴィが火に包まれるシーンで、つい「これが本当のHOT LIMITや…!」と心の中で叫んでしまったのは私だけではないと信じたい。

 

想像したらわかると思うが、ヒューズな佐藤さんもロス少尉な夏菜さんも良い。想像以上にロス少尉はハマっていた。

 

個人的には大佐をするなら及川ミッチーしかいないと考えていたが、おディーン様の大佐も格好良かった。

格好いいのだけれど、それは軍服をきたおディーン様だった。ウィンリィ役の本田翼さんも然りで、私の中ではポニーテールの本田翼さんだった。

私の中での永遠の大佐・大川透さんはとても快活よく話す方なので、おディーン様の癖のある話し方にいつにも増して癖を感じてしまった。なぜかマスタング大佐は、終始イケメンで友人思いな人物として描かれていた。ハガレンを映画で初めて見た人は、なぜ大佐の手から火炎放射が出るのか理解できなかっただろう。原作のように少しキザな一面や無能なところはカットだったので、性格的にもマスタング大佐らしさは全くといっていいほどなく、やはり軍服を着たおディーン様だった。

ホークアイの蓮佛さんもねぇ…個人的にはホークアイにしては若すぎるなという印象。ちなみにタッカーな大泉さんは大泉さんだった。お芝居は言うまでもなく見事だが、ちょいちょい出てくる本人の存在感がデカい。ボコボコに殴られるシーンでは、ただ大泉洋がボコボコに殴られてる画にしか見えず、そこでもまた笑ってしまった。

 

こうして帰宅後に急いで感情の赴くままに記事を書いたのも、某サイトで転売され高値で落札されている0巻を見たからである。「そんなに映画見るのが嫌なの…!?」と思い、案外そうでもないよという記事を書いた(つもりだ)

でもツッコミどころは勿論あるので、純粋に作品をそのまま映画に求めてる人は覚悟がいるのかもしれない。 前にも述べたが、私はチープな邦画を見ることが趣味なので、そういった面で言うと楽しかった。

 

私のように昔ハマっていて今はボヤッと…という感じの俄かが言っても説得力はあまりかもしれないが、少なくとも私はこの映画を見て「原作を読みたい」「アニメもみたい」という衝動にかられた。見なければいけないと思った。

もし私と同行した友人が原作を一度も見たことがない人だったら、私はこの映画を見た後「とりあえず漫画見てよ!!」とごり押ししたことだろう。映画で感じたモヤモヤを解消するには原作しかない。起爆剤としてならば十分な作品だ。

 

先述したが、音楽やあのCG技術を味わうならば絶対映画館だ。言葉を選ばずにどストレートにいうと、レンタルして見る価値はさほどない。レンタル待ちするならば絶対映画館で見たほうがいい。

そして何といっても、メ〇カリなどで高値で入場者特典の0巻を購入するならば、確実に映画館に行った方がいい。

近くに映画館があるならば尚のことだ。

 

私の手元にある0巻も、そして転売されている0巻も内容は同じだ。もちろん同じだ。

しかし、上映前に渡された0巻を座ってからすぐ開き「うわ、ハガレンだ」と久々に感じたあの高揚感を、メ〇カリ経由で買った0巻では感じることができない気がするのだ。

漫画を読み終わって「ネタバレ注意」と真理くんが煽ってくる荒川先生×監督の対談を読みたい衝動をグッとこらえ、映画を待ち望むあの気持ちも、自宅では味わうことが出来ないだろう。

0巻は鋼の錬金術師の新作ではなく、あくまでも映画・鋼の錬金術師への導入だ。プロローグだ。何よりも、あの荒川先生がこれから映画を見る私たちを盛り上げてくださっているモノこそが、0巻なのだ。

 

「0巻欲しいかわりに見に行けなんか等価交換だよ~!」という思っている方がいたら、こういう感想のやつもいるよってことを知ってほしい。

映画館に行く前「持ってかれるぅぅぅ」という気持ちだったとしても、映画を見終わった後に松雪泰子のラストは良かった」というはずだ。